大姥百合(オオウバユリ)

サヴァイバー

2012年01月05日 09:34

【大姥百合】
本州中部以北・北海道に分布するユリ科ウバユリ属の多年草です。
草丈は1.0~2.5m程にもなり、関東以西の太平洋側に多く見られるウバユリ(草丈0.5m~1.0程度)よりかなり大型です。
一回繁殖型の多年草で、4~6年かかって花を咲かせた後は小さな球根を0~数個残して枯れてしまいます。

花言葉:威厳、無垢。
 
誕生花:なし。

開花は7月初~7月下旬頃で、数個~10数個の花を付けます。
花の咲く頃には「葉が無い」として、「歯が無い⇒姥(お婆さん)」の百合
という冗談みたいな理由で名前が付けられてとの事ですが、
実際はは葉が全部無くなる訳ではありません。
花の数・大きさ共に豪快なのですが、人気が今イチなのは緑がかった白色で地味だからでしょうか?
花はラッパ形ですぼまっており、大きく開く事はありません。


オオウバユリはアイヌ語では「トゥレプ」と呼ばれていました。
球根から取れる「でんぷん」は重要な食材とされていて、
4月を「モキウタ(少しオオウバユリを掘る月)」と呼び、
5月を「シキウタ(沢山オオウバユリを掘る月)」と呼んでいました。
花が咲く程に成長した球根は、ミカン位~大人の握り拳位の大きさです。
麟片(りんぺん)の幅は広く、10数枚~20数枚程の数があり、
葉が出る前は硬く締まってますが、葉の成長に伴いふにゃふにゃになります。
下の画像で根元から出ている白い牙が、娘の球根の芽です。
成長した葉は幅30センチ長さ40センチ程にも成長し、やや立ち上がったロゼッタ状に開きます。


球根は地表の直ぐ下に埋まっていて、前年の茎の名残りが地表に出ています。
オオウバユリは群生する事が多いので、大量に採る事ができます。
探し易さや掘り出し易さも多用された理由の1つと思われます。



花が咲いた後、さく果と呼ばれる種の入った鞘が出来ます。
種は幅5mm高ささ3mm程度の半円形(三角形?)をしといて、周囲に薄い翼が付いています。
さくが開くと種は風に乗って周囲に広がっていきますが、それほど遠くまでは飛べず微風だと5m程度で地上に落ちてしまいます。




茎は意外と丈夫で、冬になっても雪の中に立っています。
枯れた味わいの茎はそのままでも面白いですが、
塩素系の漂白剤に漬けると不思議な感じのドライフラワーになります。



本州中部冨山県から静岡県にかけて、ウバユリとオオウバユリの中間的な個体が存在し、その大きさは段階的に変化するため、「ウバユリとオオウバユリは同種」と考える研究者の方もいますが、現在の所別種として扱われています。
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百科事典で調べる⇒ オオウバユリ ウバユリ
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苗をお探しの方は⇒北の山菜 オオウバユリ球根

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